ヒノキやスギといった針葉樹の柾目は、真直ぐで整然とした美しさがあります。そのような木目となる理由としては、おしなべて針葉樹が広葉樹に比べて幹がまっすぐに生長するということと、細胞組織の90%以上が木を支える骨格と水を通す道管の役割を一人二役の形で果たす仮道管で占められていて、細胞の構成自体も単純な上、配列もキチンとしていることがあげられます。そしてぐんぐん生長する春から夏にかけての早材は、細胞一つの径が大きュまた細胞壁が薄いので色が薄く見え、秋以降の生長が緩慢な時期の晩材は細胞の径が小さく詰まっているので色が濃く見え、その結果年輪も明確になります。
一方広葉樹は、組織が道管と木繊維とに分化されていて、血管と筋肉のように別々の役割を持っています。針葉樹と広葉樹の性質や表情が異なるのはこのためです。
木繊維の間に道管が散らばっている広葉樹は、樹種によってその並び方が異なります。大別すると、ケヤキやクリ、オークなどの年輪にそって並ぶ環孔材と、カリンやメープル、ウォールナットなど全体に一様に散らばっている散孔材、ブナに見られるような直径方向に並んだ放射孔材に分類することができ、それぞれにユニークな木目を形成します。
道管や木部繊維がどのように走行しているかも、木目には影響します。走行が傾斜していれば斜走木理といって木目が斜めになりますし、旋回しているものは螺旋木理となります。ナラ材によく表れる虎の縞柄のような虎斑や、またトチノキやカキノキに見られるさざ波を思わせるリップルマークは、放射組織の配列から出来るものです。
ただし、広葉樹だからといってすべてが複雑な木目というわけではありません。平坦な土地に生育し真直ぐに育った木は、まっすぐな木目になります。木目は重さ強度の材質とも密接な関係にあります。針葉樹は早材と晩材の比重の差が大きいため、木目が細かな材ほど重く、強度も強い材となります。
逆に広葉樹の環孔材は、木目が狭いと早材にある大きな道管の数が占める割合が多くなるため、木目が広い方が重く、強度のある材となります。 |
 針葉樹の木目 (ヒノキ)  広葉樹の木目 (環孔材:オーク)  広葉樹の木目 (散孔材:メープル) |