英語で針葉樹をソフトウッド、広葉樹をハードウッドと言うように、針葉樹は軽くて柔らかく、広葉樹は重くて硬いといわれています。これは木が含んでいる空気の量に関係しています。木を構成する細胞と細胞の間には、無数の孔=空気の隙間が空いていて、細胞と空気の隙間の割合を空隙率(クウゲキリツ)といいます。大半の広葉樹は空隙率が低いため気乾比重が大きく、木は重くなります。逆に針葉樹は空隙率が高くなり、比重も小さく、木は軽くなります。硬さの違いに関しては、空隙率の低い広葉樹は細胞の密度が高いために硬くなり、針葉樹は密度が低いために柔らかくなるというわけです。
ところで、広葉樹には、重くて硬いという一般的な認識からはずれる樹種もあります。針葉樹の樹種は540種と言われているのに対して、広葉樹は20万種と格段に多く、さらに構造も複雑なことから、性質もバラエティーに富んでいます。
たとえば世界で一番軽い木として知られ、模型飛行機の材料としておなじみのパンヤ科のバルサは、広葉樹なのに発泡スチロールのように軽くて柔らかく、板状のものならハサミやカッターで簡単に切ることができます。また、世界で一番重い木はハマビシ科のリグナムバイタですが、こちらも広葉樹です。船舶のスクリューの軸受けに使われる木ですが、重くて硬いため、金属の加工機械がないと切れないほどです。水に入れてみるとその違いは一目瞭然で、バルサは浮きますが、リグナムバイタは完全に沈んでしまいます。バルサの比重は0.1で、細胞の密度はわずか7%、残りの93%はすべて空気です。一方のリグナムバイタの比重は1.3。87%が細胞で、空気はわずか13%です。同じ広葉樹でもこの二種の性質は正反対と言っていいほどに違うのです。 |
 バルサ 電子顕微鏡写真  リグナムバイタ 電子顕微鏡写真 |