部屋中が真っ白い壁や天井、床の中で過ごすと、緊張感や疲労感が高まるといわれ、血圧が上昇し、脈拍数も多くなるという実験結果があるようです。では、部屋中全体を木材で内装するとどうなるのでしょうか?上記でもご紹介したように、木材は目にやさしいという特徴があり、さらに癒し効果があるといわれているので、よりリラックスするのかと思われますが、実はそうとも限らないようです。
こんな実験があります。内装に使う木材の使用率(木材率)を変えた部屋、@木材の使用率30%の部屋、A45%の部屋、B90%の部屋(いずれも残りの内装は全て白壁)をつくり、視覚的に快適性の影響を調べた結果、主観的な快適性は木材率30%(床のみに木材を使用した程度)、45%(床と腰壁に木材を使用した程度)、90%(床、壁、天井に木材を使用した程度)すべての部屋が快適であると評価され、中でも特に、45%の部屋が最も好まれるという結果が得られました。
脈拍数を比較すると、30%の部屋では有意に低下し、逆に45%の部屋は有意な増加が認められました。これは30%の部屋は快適と感じ、脈拍の低下は「生体がリラックスしている」という結果です。
また、45%の部屋は「ワクワクした状態になった」と考えられ、交感神経活動が盛んになり、快適であると評価したといえます。
では、90%の部屋はどうかというと、「快適である」と評価はされたものの、80〜90秒にかけて脳活動が急激に低下しました。これは、「飽きた状態になった」とも考えられます。
もちろん、こうした評価は個人の価値観が重要視されるべきですが、興味深い実験データです。
現在の住宅は、木材率20%程度だといわれています。木材ならではのよさ、他の素材のよさ、これらをうまくコーディネートすることでも、快適な空間が生み出されるのではないでしょうか。 |
 図:木材率の異なる部屋における脈拍数の変化 出典:研究の“森”から 第107号 独立行政法人 森林総合研究所
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