ここで、空気と木材の水分を保持する能力を比較してみましょう。例えば、8畳ほどの部屋で25℃のときに、室内の空気が含むことができる水蒸気量(飽和水蒸気量)は、厚さ4oで1平方メートルの広さのヒノキ板が飽湿したときの水分量に相当します。このように木材の湿度保持能力は空気中の湿度保持能力に比べて著しく大きいため、木材中からの水分の出入りだけで室内の湿度を適度にコントロールすることができるのです。
このことを実際に実験した結果を紹介しましょう。内装に木材を多く使った部屋(壁:スギ材)と少ない部屋(壁:ビニールクロス)2つの同じ広さの室内で、屋外の湿度と室内の湿度を測定したところ、室内に木材を多く使った場合は、木材使用率が少ない室内に比べて、外気の湿度が変動しても、室内の湿度は大幅な変動は見られず、変動する範囲を半分程度に抑えることができるという実験結果が報告されています(右図)。 |
 外気相対湿度ともでる居室内の相対湿度 岡野健 「木材のおはなし」日本規格協会,1992 |