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NO.652 コト編

2007.10.21 | 木材腐朽菌 腐敗

腐りやすい木・腐りにくい木ー知れば知るほど面白い木材の科学ー

木は腐るもの

 木材とプラスチックとの一番の違いは、木材は腐敗還元して土に戻りますが、プラスチックは戻らないという点です。プラスチックが無機物であるのに対し、木材は有機物であり、分解菌を介して分解、土へと戻っていきます。そこで今号では、どのような菌が木材を分解するのか、分解菌はどのような条件で活躍するのか、分解菌に強い木と弱い木との違いは何か、について探ってみましょう。

腐りやすい木・腐りにくい木

●同じ木でも部分によって腐りやすさはちがう?!

同じ一本の樹木でも部分によって腐りやすい箇所と腐りにくい箇所があります。樹木の多くは、幹を輪切りにすると、外周部とその内側で色が異なります。外周部の白っぽい部分は辺材(白太)と呼ばれ、根から吸い上げた養分や水分を通して、生物としての活動をしているのに対して、中心に近い心材(赤身)と呼ばれる部分は、生物としての役割を終えた後、腐朽菌や虫の嫌がる物質を溜め込み、木の構造を維持する役割を果たしている部分です。
よって白い辺材部が腐りやすい部分であり、一般に腐りにくいといわれるヒノキやクリでも、この部分はすぐに腐ってしまいます。

●腐りにくい木の秘密?!

腐りにくい木というのは、この心材に溜め込まれる物質が腐朽菌に対してどれほど抵抗力があるかで決まります。
一般的に、匂いのあるヒノキ、スギ、ヒバなどは匂いのもとであるフェノール性の心材成分のおかげで腐りにくいという性質を持っています。また、腐朽菌が活発な熱帯地方の木材は、腐朽菌に対抗するため心材に強力な耐腐朽菌物質を持っていることが多く、例えばチークやピンカドなどの含んでいる独特の油分や、メルバウが含んでいる岩石の成分のシリカ、非常に優れた耐朽性をもつイペに含まれるラパコールもその一種です。

木材を分解する菌

●キノコが木材を分解する?!

木材を分解する、すなわち腐朽させる菌は、判っているだけでも数百種類あり、それらを総称して「木材腐朽菌」と呼んでいます。これらの多くはキノコの仲間で、枯木や生木に寄生して、その養分を吸収し、木材を腐らせて成長していきます。身近なものでは、シイタケやマイタケなども木材腐朽菌の一種です。

●木材腐朽菌は大きく分けて2種類

木材腐朽菌は大きく分けて2種類に分けられます。
木材の主成分はセルロースとヘミセルロース、リグニンの3種類で、セルロースとヘミセルロースを分解し褐色に変化させるものを褐色腐朽菌、リグニンまで分解し白色に変色させるものを白色腐朽菌といいます。
特に木材の細胞を強固につなげる接着剤の役割を果たすリグニンは非常に複雑な構造をもっており、簡単に分解できるものではありません。そんなリグニンをも分解してしまう白色腐朽菌の能力は、さまざまな分野で役立っています。紙・パルプ産業に応用され、塩素系の漂白剤を使用しない環境に優しいパルプ製造に一役かったり、さらには、この性質を応用して、毒性のある環境ホルモンやダイオキシンなどの環境汚染物質を無毒化(バイオレメディエーション)するという応用研究も進んでいます。

●木材腐朽菌が活性化する条件

木材腐朽菌は、他の生物と同様、繁殖するには適度な水分を必要とします。木材の含水率が繊維飽和点以下、すなわち自由水がないような場合には菌は繁殖せず、逆に水分が多すぎても増殖しません。それは腐朽菌が好気性で酸素を必要としているためです。貯木場で水に浸かっている木が腐らなかったり、数百年もの間、土中に埋まっていた木材が、少しも腐朽菌の被害を受けていないことが珍しくなかったりするのも、酸素の供給が遮断されているためです。
これを利用したのが、イタリアの水の都ヴェネチア。もともと海の浅瀬でほとんど水没している湿地帯であった場所に膨大な数のカラマツの杭を打ち込み、その上に石の板を置いてつくられた人工的に造られた町です。“水の中には空気がないため、腐らない”、1000年の歴史をもつヴェネチアには木材をうまく利用した先人たちの知恵が隠されています。

‐木材腐朽菌が好む条件‐
温度
3〜45℃、特に30℃前後が適している

水分
大気中の湿度が85%以上
木材中の水分(木材含水率)が25%〜150%

酸素
空気がなければ生息できない

栄養
木材の主成分であるセルロース・ヘミセルロース・リグニンなど

 上記の木材腐朽菌が好む条件のひとつでも欠ければ、木材腐朽菌は活性化しません。内装に使用する木材は、乾燥していることが必須条件のため、腐りに関して心配する必要はほとんどありません。
ただし、浴室やエクステリアなど、湿気が多い場所や雨の影響を受ける場所への使用は、たとえ水はけをよくする工夫をしても水分を完全に遮断することはできません。温度や酵素も、生活空間である以上遮断することは不可能です。栄養という点に関しては、これが基本的には木材の主たる成分のため、自由にコントロールすることは困難です。人工的に、化学薬品を木材中に注入・浸透させ、非栄養価させた防腐薬剤処理した木材も登場していますが、人の手に触れる場所への使用にはその安全性が気になるところです。
湿気の多い場所に耐久性を持たせるためには、天然の防腐成分であるフェノール性成分や油分などを多く含む木材を用いることが一番でしょう。

 

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