表面加工(なぐり加工)無垢フローリング

日本人独特の美意識と木工技術が融合し、発達してきた表面加工。
木の表面に加工を施すことで、無垢材の個性を一層際立たせる伝統的な技法です。
裸足で歩くとさらりと心地よく、やさしい質感に包まれます。
職人が手仕事で仕上げたような味のある加工は、スタンダードな中にもこだわりを感じさせ、空間の隠し味として活躍します。

表面加工とは

表面加工は、別名「名栗(なぐり)」とも呼ばれており、その名の通りクリの木と深く関わりのある技法です。クリの木は、その耐久性の高さと加工のしやすさから、古くより日本家屋に使用されてきました。木材を建材として使用する際には、表皮や辺材をチョウナと呼ばれる工具で殴って削る処理がされていたのですが、クリの木に同様の処理を施したときのデザイン性が認知され、いつしか語呂合わせで「なぐり」と呼ばれるようになりました。このように、もともとは非常に実用的な処理だった表面加工ですが、意匠を求める加工技術として広まっていったのです。さかのぼること500年、16世紀から茶室や数寄屋建築の柱や板に取り入れられ、その意匠性が享受されてきました。現代の住宅でも、床や壁、框・階段・棚板などさまざまなところに使われ、こだわりのある空間を作り出すスパイスとして機能しています。

表面加工の魅力

表面加工の魅力は、なんといってもその多彩な表情です。模様のひとつひとつが静かに光を跳ね返し、空間にやわらかな影を落とします。時間とともに表面の凹凸もなだらかになり、本物の木ならではの艶もいっそう感じられるようになります。
そんな表面加工は、さわり心地も抜群。ボコボコと踏み応えのあるものや、さらっとやさしい質感のものなど、まるでテクスチャーのように表情が豊かです。木肌から溢れるぬくもりを、歩いてさわって感じとってみてください。

加工の種類

無垢フローリングの質感をさらに引き立てる表面加工。マルホンでは13種類の加工をご用意し、空間の雰囲気やライフスタイルに合わせて選べます。人気の加工をピックアップしてご紹介します。

■スプーンカット

スプーンで削ったような模様を施す加工。やさしくなめらかな曲線が無造作に影を作り出し、まるで手彫りのような味わいを生み出します。

■ナイフカット

ナイフで削ったような鋭角的な模様を施す加工。幾何学的な模様が空間にリズムとアクセントを与えます。素朴な質感とも相性抜群です。


■ツキノミ01

大工道具の鑿(のみ)で突いて削ったような模様を作り出す加工。さざなみのように細かく繊細な凹凸が、空間を上品かつ華やかに演出します。

■チョウナ01

釿(ちょうな)という歴史ある道具で削ったような模様を作り出す加工。均整のとれた四角い模様の連続は、見るものに伝統の重みと落ち着きを感じさせます。

■キッコウ

六角形が連なる亀甲文様は、古来より福を招く吉祥柄。キッコウ加工はその伝統意匠を無垢材に施し、和の趣と上質なアクセントを空間に添えます。

■ハンドスクレイプ01

手で削ったような凹凸を施す加工。砂浜を撫でたときのように、やわらかな波を作ります。まるで長年使い込んだ古材のように、渋く味わいのある仕上がりです。


選べる表面加工

当社では、お好きな樹種とお好きな加工形状を組み合わせてご用意することができます。
材は、当社取り扱いの無垢フローリングから、加工形状は全13パターン(ツキノミ・チョウナは大小2種類)よりお選びいただけます。なお、フローリングだけでなく、パネリング、階段材や框、カウンター材などのお好きな部材にも加工が可能です。無垢材ならではの味わいをいっそう引き立てる表面加工。床材や壁材としてはもちろん、使い方次第で無限に魅力が広がります。伝統的な加工技術と斬新なアイデアで、こだわりの空間を演出してみてください。

人気の加工を試せる製品一覧

ショールームのご案内

表面加工フローリングの実物は、マルホンショールームにてご覧いただけます。その他にも多数の無垢フローリング、無垢パネリング、無垢内装材をご用意。踏んで・触って・寝転んで、思う存分体験してみてください。ご予約は無料です。