無垢フローリングのお手入れ方法 - 浸透性塗料編

無垢フローリングはお手入れが大変。傷やシミがついてどうしようもなさそう。といったイメージを持っている方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

今号では、無垢フローリングの中でも浸透性塗料で仕上げたフローリングのお手入れ方法をご紹介。無垢フローリングに興味はあるけれど、実際にどんなお手入れをしていけばいいか分からない方、いざお手入れをしようと思ってもどんなお手入れをしたらいいか分からなかった方へ、詳しくご案内していきます。

浸透性塗料とは?

浸透性塗料とは、オイルや蜜蝋ワックスの仕上げのように木材の内部に浸透して保護する塗料のこと。ウレタン塗装などのコーティング系塗装のように表面に硬い塗膜が形成されないため、肌触りや質感は木そのもの。塗膜がない分、傷やシミがつき易いですが、サンドペーパーで削って補修をすることが可能です。そのような点からも、浸透性塗料はより無垢フローリングの特性を活かした塗料ともいえるでしょう。
弊社オリジナルのArbor(アーバー)シリーズの浸透性塗料にはいくつか種類があり、基本的には自由に選ぶことができますが、樹種によって適した塗料をおすすめしています。お手入れは初めに施されていた塗装に用いていたものと同じ塗料で行っていきます。
ローズウッドで見る塗装状態の違い

ローズウッドで見る塗装状態の違い

日常のお手入れ

① 表面の塵やほこりを掃除機などで除去
② 雑巾で乾拭き (水拭きは極力避けましょう)
* 浸透性塗料は、ウレタン塗装のように木材を完全にコーティングする塗装と違い、大量の水を含んだ雑巾を使用すると水分を吸収してしまい、表面の毛羽立ちや白濁の原因になる可能性があるので、水拭きは極力避けましょう。
* ドライタイプのフロアワイパーも有効ですが、化学雑巾や化学薬品を含むウェットタイプのモップはご使用を控えてください。薬品による変色の恐れがあります。
* 水蒸気式のクリーナーはご使用できません。木材の膨張や白濁の原因となります。

定期的なお手入れ

浸透性塗料で仕上げたフローリングは、お手入れをしないからといって、割れたり、反ったりしてくるわけではありません。しかし、木材に浸透している塗料は、お住まいになっていくうちにこすれてとれてきますので、定期的に再塗装を行い、保護力を高めてあげましょう。そうすることで、汚れをつきにくくし、色、ツヤが蘇って、より無垢フローリングを長く美しく保つことができるようになります。

● 年に何度もお手入れが必要?
無垢フローリングのお手入れは、塗料を塗れば塗るほどよい、と考えている方が多いかもしれませんが、一般住宅の場合、年に1度を目安にお手入れをすれば大丈夫です。また、木材が吸収できる塗料の量には限りがあるため、頻繁に塗ってもべたつきの原因となり、汚れがつきやすくなってしまうので逆効果。ある程度の期間は空けて塗装しましょう。
* キッチン周りなど汚れが気になる場所については、半年に1度くらいを目安にお手入れすれば、よりきれいな状態を保つことができます。
* 浸透性塗料の場合は、お住まいになって数年間しっかりとお手入れを行うことで塗料が馴染み次第に保護力が安定してきます。その後は汚れのつき具合によって、数年に1度にするなど様子をみてお手入れしていきましょう。


● フローリング全面に塗るの?
家具の下やお部屋の隅の方など、塗装がとれにくい部分が気にならないようであれば、大きな家具を移動してまで床全面を再塗装する必要はありません。よく歩く部分や拭き掃除をする部分は塗料がとれやすく、乾いた感じになり、汚れがつきやすくなってきますので、そのような部分を重点的に行います。無着色の塗料であれば、極端な塗りムラが出ることはありませんが、色、ツヤの違いが気になる場合は全面に再塗装を行ってください。

● 上手に塗装するコツは?
はじめての塗装は、誰でも上手にできるか不安に感じるものです。しかし、コツさえ抑えておけばどなたでも失敗なく塗ることができます。塗装の失敗の大半は、塗りすぎや乾拭きを怠ったことによるべたつきです。きれいに仕上げるには、少量を薄くすり込むことと、べたつきがなくなるまで、乾拭きをしっかり行うことを心がけましょう。

● 用意するもの
・現在お使いのフローリングの仕上げと同じ塗料
・ウエス(Tシャツやシーツのはぎれなど)
・サンドペーパー(紙やすり)180番・240番・320番の3種
(マットデュアルフィニッシュ仕上げの場合は、#600またはスチールウール)
・サンドペーパーブロック(サンドペーパーを固定する四角いもの)
・塗料を入れるトレイ
・マスキングテープ

● お手入れの工程

STEP1 表面のクリーニング
塗料を塗る前に、日々の汚れや気になるシミを取り除きましょう。

① 表面の塵やほこりを掃除機などで除去。
② その他に気になるシミや汚れがある場合は除去しておく。

〈軽微な汚れを落とす〉
表面を全体的にお掃除したい時、皮脂汚れや黒ずみなどの、表面上の汚れを簡単に落としたい時

→Arbor水性クリーナーワックスを使う
日常のお手入れにも使える、天然原料のみを使用したお肌に優しいクリーナー。汚れの度合いに合わせて、水で希釈して使用するタイプ。

〈頑固な汚れを落とす〉
Arbor水性クリーナーワックスでは落ちない頑固な汚れ・シミを落としたい時

→サンディングをする
サンドペーパーを使い、傷や汚れを木材ごと削って落とす。削りすぎるとムラになる可能性があるので注意。(木材が日焼けにより激しく色が変化するのは表面から約0.2mmの深さまでと言われています。)削った後は再塗装が必要。

STEP2 再塗装
クリーニング後は、表面がしっかりと乾いたら塗料を再塗装していきましょう。

①マスキングテープで巾木や建具枠などを保護することで塗料の付着を防ぐことができます。(この作業は必須ではありません。)再塗装後はできるだけ早くはがしてください。テープの粘着が残って表面がべたついてしまったり、接着面の塗装がはがれる原因となります。
②塗料を少量ずつとり、薄く擦り込むように塗る。塗る際は、フローリングの長手方向に向かって動かす。(塗料の塗りすぎに注意してください。)


STEP3 拭き取り・自然乾燥
再塗装後、表面に残った余分な塗料を拭き取っていきましょう。

①乾いたきれいなウエスで表面の塗料をべたつきがなくなるまで拭き取る。
②自然乾燥を行う。

最後に
※使用したウエスはまれに自然発火をする恐れがあるため、水に濡らして処分してください。
※再塗装中やその後は、塗料の匂いが残るため、換気を行なってください。

こんな時どうする!?

● 毛羽立ちが生じた場合
ストッキングに布を詰めたものやスチールウール、台所用のスポンジの硬い面で表面を擦り、取り除いてください。
* 毛羽立ちとは、無垢材の表面に浸み込んだ水分が乾燥する際に、木の繊維を持ち上げることで起こる現象。表面がザラザラしたり、ウォールナットなどの濃い木材の場合は毛羽立ちが白く目立つことがあります。

● 凹み傷ができた場合
凹んだところに濡れタオルを置き、その上からアイロンを当てると、ある程度は元に戻ります。特に、スギやパインなど柔らかい樹種は、より凹み傷が戻りやすく効果的です。
* 傷部分に先端の細い針で数箇所穴をあけてから行うと、より効果があります。

目立たなくなってきたら、しっかりと乾燥させた後、サンドペーパーをかけ、仕上げと同じ塗料を再塗装してください。(定期的なお手入れ STEP1〜3参照)
* 木がえぐれていたり、欠けてしまっている場合は補修を施しても戻らない可能性があります。気になる場合はパテを使用して補修を行ってください。

● すり傷が出来た場合
サンディングを行ってすり傷分の凹みを木材ごと削っていき、最後に再塗装を行います。(定期的なお手入れ STEP1〜3参照)