マホガニー
―環境にも配慮した、世界の銘木―【684 号】

 世界三大銘木といえば、ブラックウォールナット、チーク、マホガニーです。これらの名前であれば一度は耳にしたことがある、という方も多いのではないでしょうか。共に古くから家具や内装材などに使用されており、希少で高級な木材として有名です。今号はそのひとつ、マホガニーについてご紹介致します。
写真1:オオバ・マホガニー立ち木

マホガニーとは?

 マホガニー(英:Mahogany、日本語表記:桃花心木)とはセンダン科マホガニー属に属する3種の木の総称で、高さは約30メートルにまで成長します。なお、マホガニーと呼ばれる3種の木は下記の通りです。
1.キューバン・マホガニー 2.ホンジュラス・マホガニー(オオバ・マホガニーとも呼ばれる) 3.メキシカン・マホガニー

 その起源は、16世紀、南アメリカへ船旅をしていたスペイン人がカリブで発見したことに遡ります。その後、当時最も人気のあったウォールナットが不足したことにより、マホガニーは一気に全世界へと広まっていきました。
 マホガニーという言葉は「黄金色」を意味し、“カリブの宝”などの異名で呼ばれることもあります。高級木材として世界的に需要が高く、古くはヨーロッパの宮殿、ホテルや豪華客船の内装、家具などに使用されてきました。ドミニカ共和国にあるドミンゴ大寺院にマホガニーの彫像が多く使われていますが、400年以上経った現在でも、その作りはいまだ健在です。日本では、東京駅のステーションホテル内装などにも使用されています。

資源の持続可能性

 現在マホガニーは、横行する乱伐や違法伐採を防止するため、ワシントン条約によって天然木の取引が制限されています。自生したマホガニーは入手が困難なため、現在はインドネシアをはじめ、東南アジア各国で計画的な植林が進んでいます。材の知名度が高いにも関わらず貴重な木材となっているという状況からか、最近では木目や色調がマホガニーに似た異なる材をマホガニー材と呼ぶケースも多くあります。なお、当社で取り扱っているマホガニー材は、第一項で述べた3種のマホガニーのうち、ホンジュラス・マホガニー(オオバ・マホガニー)の苗をインドネシアで育てた植林材を使用したものです。

 マホガニーは成長が早く、20年〜30年で伐採できるため植林される量が増加しています。植林された森林は、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素を吸収することにより、地球温暖化の防止に役立つだけではなく、インドネシアのような発展途上国での植林活動は、現地住民を雇用することによって彼らの収入源となり、経済的な支援に繋がっています。
写真2:植林マホガニーの森

マホガニーの特徴

 マホガニーは加工性が良く、寸法安定性や耐久性も高いことから、古くから内装部材や高級車のハンドルやダッシュボードなどにも使用されてきました。楽器ではアコースティックギターやエレキギター、そしてドラムなどにも使用されています。その音質は、メープルやバーチなどと比べて、深みと温かみがあるとされています。エレキギターで有名なギブソン社のエスポールモデルには、マホガニーが使用されていることが広く知られています。
■色・木目
 木の皮に近い辺材と中心部の心材の色の差がはっきりしており、辺材は黄色白、心材の色は淡赤色から暗赤褐色まで、さまざまな表情(キャラクター)をもっているのが特徴です。そして、マホガニーに代表される交錯木理の材を柾目に挽くと、ほぼ一定の周期で縞模様が現れます。光の当り方によって輝くように見える、この美しい1本1本の縞をリボンに見立てて「リボン杢」(英語では"ribbon stripe grain")と呼ばれています。

参考文献:
岡野健 (1988) 『木材のおはなし』 日本規格協会
エイダン・ウォーカー, ニック・ギブス (2006) 『世界木材図鑑』 産調出版


写真3:マホガニー リボン杢
■経年変化
 木材は光や空気酸化などによって起こる化学反応により、時とともに色味や木柄が変化していきます。これを“経年変化”といいます。マホガニーの場合、初めは全体的に淡い色をしていますが、経年変化によって赤褐色に深みが増していくのが特徴です。色の変化も早く、濃淡の強いキャラクターも時間と共に落ち着いていきます。

 経年変化についての詳しい説明は、見る木活かす木のコト編『無垢の木と色味の変化。—樹種ごとに異なる色変化の傾向—』【683号】にて紹介しております。こちらもご参照ください。

▼無垢の木と色味の変化。—樹種ごとに異なる色変化の傾向—【683号】

写真4:経年変化による表情の変化
写真4:経年変化による表情の変化
■グレードについて
 マホガニーといえば、経年変化後の赤褐色の色を想像される方も多いと思いますが、弊社では、色の濃淡の多いマホガニーの表情をそのままに、キャラクターグレードでラインナップしております。さらに、90mm巾のユニタイプで仕立てることにより、変化に富んだ個性豊かな表情をお楽しみいただけます。

 グレードについての詳しい説明は、見る木活かす木のコト編『無垢フローリングのグレード 広葉樹編1・2』【621・623号】にて紹介しております。こちらもご参照ください。

▼無垢フローリングのグレード 広葉樹編1【621号】
▼無垢フローリングのグレード 広葉樹編2【623号】

張り方について

 写真4のように、長手方向または短手方向にすべて同じ向きで張っていく「流し張り」が一般的ですが、実は様々な張り方があり、マホガニーでは45°にカットした木口を合わせて、直角に張り上げるフレンチヘリンボーン張りをご用意しています。巾90mm、長さ540㎜と、通常のヘリンボーン張りより1つ1つのピースのサイズが大きいため、すっきりとした印象を与えます。
写真5:ヘリンボーン張り方の違い