カンナで削られたつややかな肌と、柔らかく温かい触り心地が魅力的なヒノキ。しかし、ヒノキの魅力はそれだけではありません。
■耐久性
国産のヒノキは国内最高級との呼び声も高い建築材です。水や湿気に強く、高い耐朽性を誇ります。建立後1000年を過ぎた今なお威容を誇る法隆寺はヒノキで造られており、その卓越した耐久性の裏付けとなっています。
その法隆寺において、昭和9年より20年掛かりで行われた大改修の際のエピソードも有名です。改修前、屋根を支える部材である垂木は、長年の瓦の重みにより曲がっていました。しかし、改修に際して瓦の屋根土を降ろすと、元の姿に戻ったと言われています。伐採後の寿命は、マツは400年、スギで500~600年、ヒノキはなんと2000年とも言われており、その耐久性には目を見張るものがあります。
■香り
心地の良い香りも、ヒノキの大きな魅力です。アロマテラピーの世界でも注目されているその香りの正体は、α-ピネンやα-カジノールといった芳香成分です。これらの成分により、ヒノキ材には、リラックス効果や抗菌作用、さらにはダニに対する繁殖抑制効果もあることが知られています。その作用を活かし、料理店のカウンター、まな板などのキッチン用品や、芳香剤などに使用されることもあります。
建立から1000年以上経った法隆寺でも、柱の表面を数ミリ削ればヒノキの良い香りがすると言われていますので、丁寧にメンテナンスをして頂くことにより、長い期間、その香りと効能を感じて頂けるのではないでしょうか。
▼【663 号】木の香りの効能
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