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寄木張りフローリング vol.2
―デザイン性に富んだ新たな張り方―【700 号】

 古くからヨーロッパを中心に豊かなデザイン性を表現してきた寄木張りフローリング。日本では明治以降に普及した寄木張りは、昨今その意匠性が見直され、再び注目を集めています。
 伝統的な張り方にとどまらない、現代住宅向けの新たな寄木張りフローリングを開発しました。

インドネシアチーク サテン張り 無垢フローリング
画像1:インドネシアチーク サテン張り 無垢フローリング


インドネシアチーク サテン張り 無垢フローリング
画像1:インドネシアチーク サテン張り 無垢フローリング

寄木張りとは

 寄木張りフローリングとは、小さな無垢材のピースを組み合わせて、一定のパターンに張り上げたフローリングのことを指します。その起源は16世紀のフランス・ヴェルサイユだとも言われています。当時、床の装飾には大理石で模様張りを施すのが主流でした。しかし、大理石を素材とすると、床を洗浄した際の水が根太まで浸透してしまい乾きにくく、腐食が進みやすいという問題点がありました。そのため、大理石に比べて乾燥が早く、メンテナンスのしやすい木材が使用されるようになり、普及したと言われています。
 寄木張りは非常に細かな作業が伴い、その制作、施工に多くの時間が必要となります。当時、手間と時間のかかる寄木張りの床は、経済的な豊かさがあって初めて可能になるものでした。木材を寄木張りにすることで生み出される複雑な幾何学模様は、壮麗かつ豪華なフランス、ルイ14世のバロック様式にも華を添えており、ヴェルサイユ宮殿の「鏡の回廊」にも寄木張りが使用されています。

日本における寄木張りの歴史

迎賓館赤坂離宮「羽衣の間」
画像2:迎賓館赤坂離宮「羽衣の間」
(出典:内閣府ホームページ)


迎賓館赤坂離宮「羽衣の間」
画像2:迎賓館赤坂離宮「羽衣の間」
(出典:内閣府ホームページ)


 日本では文明開化が始まると西洋式の生活が取り入れられ、住宅においても一部の華族や政治家、実業家を中心に、欧米の建築様式を用いた洋風建築が建設されました。当時、住宅に応接間を設けるということは一種のステイタスであり、重要な客人をもてなす格式の高い部屋である応接間には、ヘリンボーンや市松をはじめとした寄木張りが用いられてきました。現存する建物では、迎賓館や旧岩崎邸、旧朝香宮邸(現、東京都庭園美術館)、インド大使公邸などの床に寄木張りが使用されており、今もなお多くの人々を魅了しています。
 寄木張りは1枚ずつ丹念に並べ、組み上げることで仕上がります。その仕上がりは施工者の技術や感性も反映され、独特の魅力的な表情を生み出します。

さまざまな寄木張り

 明治・大正から昭和初期にかけて建てられた日本の洋風建築に使用されていたヘリンボーンや市松などの寄木張りは、そのクラシカルな雰囲気と高級感から、現代の住宅でも注目を集めています。同じ形のピースを幾何学的に並べる寄木張りは、世界的にも標準仕様となっていますが、違う形のピースを一定の法則で並べる新しい寄木張りも加えました。合わせてご紹介します。

■バスケットチェック張り
 細長いピースと正方形のピースを組み合わせた張り方。流れるような繊細なラインが、かごを編んだように見えることから“バスケットチェック”と名付けました。列を成すピースは長さ456mm×巾57mmで、長さが巾の8倍のサイズになっています。これらに相対する正方形のピースは、単調になりがちな空間に動きをもたらします。上品な仕上がりになるように、2つのピースのバランスを徹底的に追求し、細いラインが直交するデザインは、モダンな中にも適度にクラシカルな印象を与えます。

バスケットチェック張り
画像3:バスケットチェック張り


バスケットチェック張り
画像3:バスケットチェック張り


>バスケットチェック張り製品詳細ページ


■サテン張り
 同じ長さのピースを2枚並べ、その木口に巾の2倍の長さになる長方形のピースを配置する張り方です。張り上げたときのリズミカルな仕上がりが、生地の織り方である“朱子織”に似ていることから“サテン張り”と名付けました。長さ300mm、600mm、900mmの3種類のフローリングと、長さ180mm×巾90mmのピースを組み合わせて張り上げていきます。どのようなパターンで張っていくかはお好み次第です。並べ方次第で景色が変わるため、配置を考える楽しみがあります。

サテン張り
画像4:サテン張り


サテン張り
画像4:サテン張り


>サテン張り製品詳細ページ

■ヘリンボーン張り
 無垢材の小片を山型に張っていく方法です。洋服生地の定番柄として、また靴底にも見られるこの模様は、「ニシンの骨(英:Herring Bone)」に見えることからこのように呼ばれています。日本では、杉の葉に見立てて杉綾とも呼ばれます。唯一無二の色やキャラクターをもつ無垢材のピースを張り合わせていくことで、その表情をより一層引き立てることができます。ユニークかつレトロな雰囲気が、新鮮な印象です。

ヘリンボーン張り
画像5:ヘリンボーン張り
ヘリンボーン張り施工例
画像5-1:ヘリンボーン張り施工例
(品番:FWNS15-122)



ヘリンボーン張り
画像5:ヘリンボーン張り



ヘリンボーン張り
画像5-1:ヘリンボーン張り施工例
(品番:FWNS15-122)







■フレンチヘリンボーン張り
 斜めにカットした無垢材の木口を合わせて、直角や120度に張り上げる方法です。ピース同士を付き合わせた部分に直線が生まれるため、ヘリンボーン張りよりも直線的ですっきりとした印象に仕上がります。直線距離のあるお部屋や、廊下などにご使用いただくことで、より奥行きを感じさせる仕上がりになります。どこか繊細な表情があるヘリンボーン張りよりも、すこしラフで抜け感のある表情が魅力的です。

フレンチヘリンボーン張り
画像6:フレンチヘリンボーン張り
フレンチヘリンボーン張り施工例
画像6-1:フレンチヘリンボーン張り施工例
(品番:FINS05/06-122)



フレンチヘリンボーン張り
画像6:フレンチヘリンボーン張り



フレンチヘリンボーン張り施工例
画像6-1:フレンチヘリンボーン張り施工例
(品番:FINS05/06-122)





 お部屋の雰囲気をぐっと印象的に見せることができる寄木張りフローリング。いつものヘリンボーンフローリングはもちろん、意匠を凝らしたデザインの寄木張りフローリングを使って、世界にひとつの贅沢な空間をつくられてみてはいかがでしょうか。家族が集まるリビング・ダイニングでも、こだわりの趣味のお部屋でも、アクセントとして壁に使っても、ワンランク上の空間を演出します。