当社では、国内で初めてFSCⓇ認証(FM認証)を取得した速水林業とタッグを組み、尾鷲ヒノキフローリングの開発に取組んできました。FSCⓇ認証とは、1993年にカナダで設立されたFSCⓇ(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)による認証制度です。
速水林業は2000年に日本で初めてFSCⓇ認証を取得し、「美しい山造り」をテーマに環境配慮型の森林経営に取り組んでいます。その特徴は、林道の整備、下草や広葉樹を繁茂させることによる土壌の育成、光を常に取り入れるための計画的な間伐・枝打ち、タワーヤーダーなどの集材機械の導入など多岐にわたります。前述の通り、土壌が育ちにくい地形にあって優良な尾鷲ヒノキを生育できるのは、これらの取り組みによるものです。特筆すべきは、速水林業で実施している4,000本/ヘクタール(以下、ha)という密植(=木を密に植えること)です。日本の平均的な植林本数である3,000本/haと比べると、その特殊性が良く分かります。あえて密に植える理由は、当初林内を暗くすることで下枝を枯らし、中心部においても枝のないヒノキをつくるためです。そのため、フローリングとして製材した際においても、節の少ない良材が取れるのです。また、その後は適切な間伐を行うことで、先に述べたように下草を発生させ、急峻な地形に豊かな土壌を生み出します。これには土壌微生物や野生動物を増加させ、水を美しくするという効果もあります。
さらには、毎年尾鷲に林業関係者を集めて開催される「林業塾」をはじめとする日本林業界への貢献にも目を見張るものがあります。(そうした功績がたたえられ、速水林業の経営者である速水亨、柴乃夫妻は、平成30年10月19日に平成30年度(第57回)農林水産祭において天皇杯を受賞しました。)
このように、独自の取り組みを続けている速水林業産の尾鷲ヒノキを、唯一無二の床暖房対応品としてご用意いたしました。
尾鷲ヒノキについては、以下の記事もあわせてご参照ください。
>尾鷲ヒノキ―FSCⓇ認証の高品質フローリング―【689 号】