北米針葉樹と一口に言っても、その種類は多岐に及びます。ウェスタンレッドシーダー、ポンデロサパインなど一般に建築部材としてよく知られているものや、鉛筆の材料でもあるインセンスシーダーなどさまざまです。
今回は当社でも取り扱いのあるスプルース、ピーラー、ベイヒバ、ウェスタンレッドシーダーの4樹種についてご紹介いたします。
■スプルース
学名: Picea

画像4:スプルース施工事例

画像4:スプルース施工事例
マツ科トウヒ属のスプルースは、別名ベイトウヒ(米唐桧)とも呼ばれます。スプルースでは、シトカスプルースとホワイトスプルースが木材としてはよく知られています。その中でも日本国内ではシトカスプルースが一般的です。日本の木材業界では「アラスカ桧」とも呼ばれるように、桧に近く滑らかな木目を有しています。そのため、高級材である木曽桧の減少とそれによる価格高騰に伴い、桧の代替品として和室の造作部材や天井材に使用されてきました。近年では、スプルースの生産量も減少しているため、貴重な木材となっています。
また、加工がしやすいため、楽器ではアコースティックギターのトップ単板や、木製飛行機の材料としても使用されています。2015年まで世界最大の飛行機であった、別名スプルースグースとも呼ばれるH-4ハーキュリーズもスプルースを躯体材料に使用していました。
>スプルース 無垢パネリング 105mm巾 柾目
■ピーラー(ダグラスファー)
学名:Pseudotsuga menziesii

画像5:ピーラー施工事例(天井・壁)

画像5:ピーラー施工事例(天井・壁)
マツ科トガサワラ属のピーラーは、別名ダグラスファー、ベイマツ(米松、いわゆる「もみの木」)とも呼ばれます。樹齢が長く、大径木のオールドグロス(Old Growth)材の中でも、目詰まりのものだけを特にピーラーと呼びます。前述のようにペリー提督来航時に日本に初めて入ってきた輸入材であるため、歴史的な意義も深い樹種です。
ダグラスファーは、非常に樹高が高く、北米産針葉樹において20%の産出量を占めるため、構造材や家具など多岐に渡り使用されています。ピーラーと呼ばれるものは希少かつ高価なため、天井材などの内装部材としての使用が主流です。日本でも、見せる内装部材のみならず横架材などにも用いられ、幅広い用途で使用されています。樹脂分を多く含むため、当社では煮沸処理によるヤニ抜きを行い、内外装パネルとして仕上げています。
>ピーラー 無垢パネリング 105mm巾 柾目