■アルカリ汚染の補修方法
アルカリ汚染の場合は、酸性物質を用いて汚染を中和させることで変色を軽減できます。今回は、中和剤としてドラッグストア等でも手に入る掃除用のクエン酸(C₆H₈O₇)を使用しています。
画像21:アルカリ汚染
画像21は、左側半分に強アルカリ性のキッチン用洗剤、右側部分に弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダを溶かした液体を塗布し、2時間経過****したヨーロピアンオークの無垢材サンプルです。こちらを中和していきます。
****セスキ炭酸ソーダを溶かした液体を塗布して1時間後に液体を拭き取り、さらに1時間乾燥させた状態。
<用意するもの>
・水大さじ1に対して、小さじ1のクエン酸を溶かした液体…液体B
・ウエス(綺麗なぞうきんやタオル、布のはぎれ等)
<補修の手順>
① 液体Bをアルカリ汚染のシミに対して塗布します。
② 1時間後、液体Bをウエスで拭き取り、シミの様子を確認します。
※今回のアルカリ汚染は汚染の程度が強いため、長時間中和しています。
中和を行う際には、汚染の程度にあわせて様子を見ながら時間を調整してください。
③ 液体Bを拭き取った後、表面の水分が完全に乾燥するまで待ち、汚染を確認します。
※今回は1時間乾燥させています。
画像22アルカリ汚染中和1時間後(拭き取り後)/画像23:アルカリ汚染中和2時間後(乾燥後)
④ さらに綺麗に仕上げたい場合は、サンディング・再塗装を施します。
画像24:アルカリ汚染サンディング・再塗装後
中和後、弱アルカリ性のセスキ炭酸ソーダを溶かした液体を塗布したシミは目立たなくなりましたが、強アルカリ性のキッチン用洗剤を塗布したシミは残ってしまいました。このようにアルカリ汚染は、比較的汚染の程度が強いため、中和で取り切れなかったシミは、鉄汚染と同じようにサンディング及び再塗装をして補修するのがお勧めです。