浸透性塗装の場合、木肌をそのまま活かした塗装のため表面に塗膜をつくりません。そのためコーティング塗装では生じにくい、“石膏ボードの粉が木目に入り込んでしまった”などといった症状が起こることがあります。
適切な養生さえ行えば、ほとんど回避できますが、万一の場合の対処方法を知っておくと、慌てず対処することができるため安心です。
●石膏ボードの粉が付着してしまったら
掃除機で吸い取るか、コンプレッサーを用いてエアーで吹き飛ばしてください。それでもとれないようなら、部分的であればArbor蜜蝋樹脂ワックスを塗ることで、目立たなくさせることもできますが、全体的に付着した場合は、#180〜240程度のサンドペーパーで
サンディング※1を行い、同一の塗料を
再塗装※2してください。
●養生テープの跡が残ってしまったら
養生シートや養生ボードを留める際に、養生テープをフローリングに直接貼ってしまうと、テープの粘着部分が付着してしまうことがあります。特に夏場など、気温の高い環境では粘着成分が溶け、それが木目の中に入り込んで、跡が残ってしまいます。
そうした場合、その部分を#180程度のサンドペーパーで木目に沿って削り落とします。その後、#240~320程度のサンドペーパーで木地調整し、仕上げと同一の塗料で再塗装してください。その部分が日焼けしてしまっている場合は、下記の“日焼けによって色の差が生じてしまったら”を参照ください。
●毛羽立ちがおこってしまったら
何らかの原因で水をこぼしてしまったりして、毛羽立ってしまった場合、部分的であればストッキングなどにウエスを詰めたもの、あるいはスポンジの硬い面でこすり毛羽立ちを取り除き、部分的に薄く同一の塗料で
再塗装※2してください。全体的に生じた場合は、#320〜400程度の目の細かいサンドペーパーで
木地調整※1し、同じ塗料を
再塗装※2してください。
●白濁してしまったら
特に
Arbor蜜蝋樹脂ワックス塗装のフローリングの上に水分をこぼし長時間放置してしまうと水とワックス成分が反応し白く跡を残す場合があります。その場合は、エタノールもしくは、
Arbor水性クリーナーワックスでふき取ってください。それでも落ちないようなら、#180〜320程度の
サンドペーパーで削り取り※1同一の塗料で
再塗装※2してください。
●日焼けによって色の差が生じてしまったら
日焼けによって色の差が生じてしまったら、色の境目の部分を10〜20cmの幅で#180〜400程度のサンディングペーパーで
サンディング※1し、同じ塗料で
再塗装※2します。対処直後は、色の差が少し分かりますが、数週間も経つと色の差が自然に馴染んできます。サンディングの際、強く削るのではなく、軽くぼやかす程度に行うと自然な仕上がりになります。
※1サンディングに関する注意点
サンディングは木目に沿って行ってください。
※2再塗装に関する注意点
再塗装する場合は、少量を塗りこむように塗るのがポイント。すでに、一度塗装をしているため、大量に塗りすぎるとべたつきの原因になります。塗装後は、きれいな乾いたウエスでしっかりとふき取りを行ってください。