スギ 無垢フローリング
―含水率管理を極めた高品質フローリング―【654 号】

 スギは、日本人にとって馴染みの深い樹です。建材としてのスギは、温もり、柔軟性、特有の芳香などにより根強い人気がありますが、全国各地で製造方法やサイズが異なり、良材の安定調達が困難という一面も持ちます。今回は、徹底した含水率管理で寸法安定性と高品質を実現した、スギフローリングをご紹介します。
スギ 無垢フローリング

スギフローリングの製造工程

 高気密・高断熱の住宅では屋内の乾燥が著しく、フローリングの接合部が変形し、床鳴りや実鳴りを起こすことがあります。また、板幅が収縮し床面に大きな隙間を生ずるおそれもあります。こうした問題は、人工乾燥で含水率を調整することにより解決できますが、その過程で原材料の積み重ねに使われる桟(さん)の跡が影のように残ってしまうこともあり、慎重な作業が要求されます。そのため本製品は、次の5つの方策により高品質を実現します。
① 原板の木表(きおもて)同士を重ね合わせた状態で含水率11%になるまで人工乾燥。これにより、板の表面に桟の跡が付かないだけでなく、木表100%のフローリングとなります。

② 原板から直接フローリング加工を行わず、まず「ムラ取り」(右のイラスト参照)を行うことで、反りやサイズのバラツキ
を整え、これによりカッピング(お椀型の反り)を防ぎます。

③ 生産ラインの一部では、すべての製品の含水率を1枚1枚チェックし、11±2%の基準を超えるものを自動的に排除、品質のバラツキを取り除いています。

④ フローリング加工された板の表面にある死節など、欠点のある部分については、その大きさによって区分し、節の状態に合わせてパテ埋めや埋め木などの補修を行っています。
欠け節など凹みのパテ埋め補修

スギの特性

●温もり
 保温性、断熱性は木材内部の空気層によるものです。スギはフローリングの定番であるナラよりも空気層が厚く、熱伝導率が低いため、より保温性、断熱性に優れています。
スギに温もりを感じるのは、フローリングに体温を奪われないからです。
それぞれの15mm(厚み)のフローリングの表面に両手を10秒間強く密着させる。手を離して30秒間放置し、床の表面温度を計る。このときスギの表面温度はナラに比べ2℃ほど高く、保温性により優れていることが分かる。一方ナラの2℃の違いが、適度な硬さと衝撃に強いという広葉樹の特徴を象徴している。(中部加工株式会社提供:サーモグラフィーによる)

●衝撃吸収性
 スギが内部にたくさんの空気を含んでいることは、衝撃吸収性が高いという、もう1つの特徴を生み出しています。床の内部にある空気層がクッションの役割を果たすため、身体にかかる負担を和らげます。

●復元力と補修
 スギには優れた復元力があります。例えば、床に物を落としたときに出来た凹みは、濡れ雑巾でその部分を覆い、そこにアイロンをあてることによって、かなり修復できます(写真参照)。また、引っ掻きキズについてもサンディングをすることで、比較的簡単に補修できます。

凹み補修前(左写真) 凹み補修後(右写真)