無垢の木材と揮発性有機化合物【614 号】

 シックハウス症候群が社会問題化して以来、揮発性有機化合物(VOC)に対する関心が高まっています。
 VOCについては未だ完全に解明されていないため、国によって見解が分かれているのが現状です。例えば、環境問題に関心の高いEUでは3万種類とも言われておりますが、日本では、厚生労働省がシックハウス対策のガイドラインとして室内濃度指針値を策定したVOCは13種類に過ぎません
さまざまな建材 無垢木材フローリング、コルクフローリング、挽き板フローリング、集成材etc・・・

F☆☆☆☆と大臣認定

新建築基準法の施行以来、「F☆☆☆☆」や「大臣認定」といった表記を頻繁に見かけるようになりました。

 F☆☆☆☆は、JIS・JASがホルムアルデヒドの放散量によって定めた4段階ある等級の最上位で、放散量(平均0.3mg/L以下・最大0.4mg/L以下)が小さく使用規制を受けない建材であることを示しています。それより下位の等級は一定の割合で使用できますが(F☆は内装材として使用できません)、消費者の立場からすればF☆☆☆☆以外は住空間に使用したくないと考えるのは当然であり、建材選択にあたっての必要絶対条件となってしまったということが現状ではないでしょうか。
 一方の大臣認定は、JIS・JASに該当しない建材に関する国土交通大臣認定のことで、第1種、第2種および第3種ホルムアルデヒド発散建築材料、規制対象外の4種類に区分されていて、最上位規格である規制対象外の大臣認定は制限なく使用できるため、F☆☆☆☆に相当します。JIS・JASによる各区分との相関関係は次の表の通りです。
合板・木質フローリング・構造用パネル・集成材のホルムアルデヒド放散量による区分

木材に含有されているVOC

 当社が取り扱っている無垢の木材は、新建築基準法において無制限に使用できる建材と認められていますが、厚生労働省がガイドラインに定めた13種類のVOCの中には、フィトンチッドなどのように人体にとって有用な物質も含まれているため、さらなる研究が待たれています。
 そこで無垢の木材に含まれているVOC類についてまとめてみました。

<針葉樹>
テルペン類が主体で次のような効果・効能が認められています。
 ・α-ピネン:芳香成分の1つ。防ダニ効果、リラックス効果。
 ・δ-カジネン:芳香成分の1つ。
 ・ヒノキチオール:ヒバの香り成分。防ダニ効果。
 ・カンファー(樟脳):殺虫作用(衣類の防虫剤として利用)。

<広葉樹>
アルデヒド類が主体で、その放散量は針葉樹よりも少ないとされています。
 ・ヘキサナール:芳香成分(青っぽい匂いの成分)。
 ・ペンタナール
 ・酢酸
 ・エタノール

 なお、無垢の木材の安全性は広く知られているところですが、化学物質過敏症の方、特に臭いに反応する症状をお持ちの方は、コンクリートの臭いでさえも反応すると言われております。マツ、ヒノキをはじめとした香りの強い木材には注意が必要です。

規制対象外の素材

 新建築基準法において、①無垢木材 ②線的に使用される部材(廻り縁、巾木、窓枠など) ③家具(造り付けを除く)は規制対象から外されていて、JIS・JASの検査や国土交通大臣の認可なしに使用できます。
 また、無垢の木材を縦方向に接着したユニタイプのフロアー材は、接着剤の使用が極めて微量なため、無垢に準ずる材とみなされ、制限なく使用することができます。さらに、巾方向に接着した巾ハギ材についても、巾が150mmを超える素材でつくられたものは無垢木材とみなされ、規制の対象となりません。
ユニタイプのフローリング
 これらについて、無垢木材と同様、検査・認可を受けなくても使用できる素材ですが、微量であっても接着剤が用いられているのは事実です。一般的にはホルムアルデヒドを含んでいない水性高分子イソシアネート系(規制対象外)の接着剤が使用されています。