塗装の種類とその選び方
―塗装を知ると無垢材はもっと楽しめる―【639 号】

 無垢材を選ぶ際、塗装で頭を悩ませるケースも多いことでしょう。なぜ塗装はしなければならないの?どのような塗装がある?メンテナンスは?などなど、塗装に関する疑問が多く寄せられます。
 そこで今号では、無垢材に施す塗装の種類と目的に応じた選び方についてご紹介します。
なぜ、木材に塗装をするのか
 
 そもそも木材には、どうして塗装を施すのでしょうか。自然から切り出したような無垢材であれば、塗装などせず、無塗装のまま使用する方が“自然”ですが、塗装は木材の「保護」という重要な役割を果たしています。もしも無塗装の無垢材の上にコーヒーやワインをこぼしてしまったとしたら…おそらくコーヒーやワインの色素が染み込んでしまい、せっかくの床材やカウンター材にシミを残してしまうことでしょう。また、日々の生活で生じる黒ずみ汚れもつきやすいです。
 無垢の床材は、カーペットやラグを替えるように、簡単に張替えができません。お気に入りの床材をいつまでも使い続けたい、という願いを塗装による「保護」が叶えてくれます。
 さらに、無垢材そのままではなく、“自分の好みの味付けをしたい”、“より美しく仕上げたい”、そのような意匠的なニーズにも、「美観」づくりにもにも塗装が応えています。
 時間を経るに従って味わいが増し、愛着が深まるのが無垢材という自然素材の大きな魅力。その魅力を引き立てる役割のひとつを塗装が担っているのです。
床材:ヨーロピアンオーク Arbor植物オイル塗装
画像1:床材:ヨーロピアンオーク Arbor植物オイル塗装
カウンター材:アメリカンブラックチェリー Arbor植物オイル塗装
画像2:カウンター材:アメリカンブラックチェリー Arbor植物オイル塗装

床材:ヨーロピアンオーク Arbor植物オイル塗装
画像1:床材:ヨーロピアンオーク Arbor植物オイル塗装


カウンター材:アメリカンブラックチェリー Arbor植物オイル塗装
画像2:カウンター材:アメリカンブラックチェリー Arbor植物オイル塗装



実践・塗装選び
 
 一口に塗装と言っても、多くの種類があり、その目的や効果はさまざまです。“これを選んでおけば大丈夫”というようなオールマイティな塗装方法はありません。それだけに塗装によってどのような効果が得られるのか、どんな仕上がりになるのかなどの情報を知っておくことで、無垢材に対する楽しみが大きく拡がり、採用した後の満足度が高まることでしょう。
 マルホンによる塗装は、大きく分けて「浸透性塗料」による塗装、「コーティング系塗料」による塗装、「高機能塗料」による塗装の3種類があります。どの塗装を選ぶかによって仕上がり感やその後のメンテナンス方法が異なりますので、用途や目的、ライフスタイルに合わせてお選びになることをおすすめします。

塗装の種類と特徴について
続いて目的や効果に合わせた塗装選びの例をご紹介しましょう。

■仕上がり感から選ぶ
 どのような仕上がりを求めているかによって、適合する塗装方法が異なります。お好みに合わせて選択しましょう。“無垢材の質感が好き”、“使い込んだ時に生じる傷や汚れも風合いとして楽しみたい”、そのような方には「浸透性塗料(塗装)」が向いています。“ツヤがある方が好き”、“ツルツルした質感が好き”、このような方には「コーティング系塗料(塗装)」、“光が反射しない”、“とりわけマットな質感が好み”という方には「高機能塗料(塗装)」がおすすめです。浸透性塗料には、樹種によって異なるおすすめがありますし、仕上がり感の違いでもいくつかの種類をご用意していますので、下記の表をご参照ください。

浸透性塗料の種類
■お手入れの方法で選ぶ
 無垢材は厚み方向につなぎ目のない一枚の木の板です。合板のように貼り合わせがないため、しっかりとお手入れすることでいつまでも長持ちさせることができます。ただ、忙しいご家庭では、“できればお手入れの手間を減らしたい”と考えるものです。そのような場合は、水汚れが付きにくく、普段のお手入れが楽な「コーティング系塗料(塗装)」を選ぶとよいでしょう。しかし、表面にウレタン樹脂などの塗膜を作るコーティング系塗装は、一度傷が付いてしまうとご自身での補修ができず、専門業者による補修が必要になるという弱点があります。
 そこで登場したのが「高機能塗料(塗装)」です。コーティング塗装に対し、木の表面の凹凸を活かして保護する高機能塗料(塗装)は、水汚れなどに比較的強くお手入れが楽でありながら、万が一傷が付いてしまった場合でも、自分で専用の塗料を使用し補修することも可能です。マットな風合いがお好みで、かつ、お手入れが楽な塗装がご希望であれば「高機能塗料(塗装)」が断然おすすめです。
 一方、少しくらいならメンテナンスに手間がかかっても、無垢材の質感やあたたかさなどを最大限に楽しみたいという方には「浸透性塗料(塗装)」がおすすめです。お手入れは1年に1回程度を目安にオイルや蜜蝋ワックスを塗るという方法です。シミや汚れは多少つきやすいですが、もし汚れが付いてしまったとしても、サンドペーパーで汚れを削り落とし、その部分に同じ塗料を馴染ませるだけで、簡単に補修することができます。使用する塗料はエゴマ油や蜜蝋といった、自然由来のナチュラルな成分を主原料とした塗料なので、出来るかぎり自然素材にこだわって、お手入れをしながら長く使っていきたい…と感じている方におすすめです。

■使用する場所、用途に合わせて選ぶ
 使用する場所によって環境は異なります。例えばキッチンの床やカウンターは、洗剤や油がはねたり、調味料などをこぼしたりしてしまう恐れがあるため水拭きなどのお掃除がしやすい塗装が好まれます。一方、リビングや寝室は、くつろぎの空間であるため、木に質感・ぬくもりを感じやすい浸透性塗装が好まれます。このように、同じ家の中でも場所や用途によって塗装方法を変えることもひとつの方法です。
それぞれの塗料(塗装)については、下記にて詳しくご紹介しております。

①浸透性塗料
>Arborシリーズ浸透性塗料

②コーティング系塗料
>コーティング系塗料

③高機能塗料
>・Arborガラスフィニッシュ
>・Arborインビジブルコート
■染色・着色
希望の色がある場合、染色や着色などで好み色にすることも可能です。当社では、いくつかのラインナップをご用意しています。
<染色>
・草木染
自然の植物から色素成分を抽出した、昔から伝わる伝統的な天然染料で染色しています。植物の種類はもちろん、草木を摘む時期、染色する季節などによっても仕上がる色が異なります。もともと異なる木材の表情と合わせて、世界でひとつだけの色合いをつくることが出来ます。

>草木染 ラインナップ

・ベンガラ
土から採れる成分である弁柄(ベンガラ)を活用した独自の方法で、色鮮やかな塗装が可能となりました。

>ベンガラ ラインナップ

草木染の詳細については、下記にてご案内しております。
こちらもぜひご一読ください。
▼草木染フローリングの魅力 -床暖房にも使える自然の染色-
https://www.mokuzai.com/ma_di-146


<着色>
・ワイピング
木の導管に色(ステイン)を擦り込み、拭き取ることで、木目を際立たせます。タモ、アッシュ、オークなどの木目の強い樹種に施すことのできる着色となります。

>ワイピング ラインナップ


・コーティング系塗料
コーティング系塗料でお好みの着色を施すことも可能です。基準色は全部で16種類ご用意しております。

>コーティング系塗料(ウレタン基準色) ラインナップ


 時間の経過とともに美しさが増す無垢材。さらにご自身のお好みやライフスタイルに合わせた塗装を選択するとこで、より一層無垢材にご満足いただけることと思います。

2019年8月1日改訂